養蚕の街から風俗の街へ~山梨県笛吹市・石和温泉
江戸時代、甲州街道の宿場町であった石和宿は、かつて笛吹川の船で越える運送業や、養蚕・蚕糸始業で盛んだった街。
しかしその頃はまだ石和に遊郭があったとか花街があったとか、そのような事実はありませんでした。
石和の風俗の歴史は非常に浅く、昭和の時代に入ってから。高度経済成長期に歓楽温泉としての歴史をスタートさせました。
石和は養蚕のほかに、葡萄の栽培でも知られた土地ですが、その葡萄畑から温泉が沸いたため、それをきっかけに温泉を中心とした観光業が盛んになっていきました。
歓楽温泉としての歴史をスタートさせた石和温泉
温泉地として歴史があるわけではない石和温泉は、名物として風俗を付随させることなり、風俗街が設置されました。
石和は、新宿からも特急列車を利用すれば1時間半、車での移動も東北自動車道を利用して1時間半という交通面での利便性もあり、東京から比較的気軽に行きやすい場所に立地しています。そのため、東京の会社が団体で、社員旅行・慰安旅行のために石和を訪れるようになりました。
石和の風俗街としての成功をきっかけに、温泉に温泉コンパニオンが呼ばれるような風俗のスタイルが確立されたと言われています。
更に石和温泉にはストリップ劇場やスナック、場外馬券上売り場、店舗型風俗店等も多数営業しており、風俗ファンを楽しませていました。
風俗街としての石和温泉の転落
石和温泉の風俗街は、東京近郊の風俗街として非常に栄えましたが、その盛り上がりにも陰が差し始めます。
あまりにも風俗イメージが定着し過ぎてしまった石和温泉は、地域住民からの反発を買い、それまでの歓楽温泉地のイメージからの脱却を目指し始めます。健全な温泉街としての地位を確立しようとした石和では、風俗店の取り締まり強化が行われ、店舗型風俗店の数は減少していきます。しかし、それと共に石和を訪れる観光客の数も減少してしまいました。
今でも石和温泉の街を歩けば、未だ色濃く残るかつての歓楽街の面影を目にすることが出来ます。
現在では、家族向けの温泉地として、更に特産品である葡萄やももを利用したワイナリー等で集客を図っているようです。
しかし、そうは言っても今でも石和は歓楽温泉街としてのイメージは強く、石和温泉では温泉コンパニオンを呼んで遊べたり、デリヘル系の無店舗型風俗が主流として遊ぶことができます。
石和温泉付近には、国道20号線沿いにラブホテル街があり、デリヘル遊びの際はそちらが利用されることが多いようです。